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【毎日新聞】1月10日 イマジン:第1部 はたらく/9 ニート、再挑戦に壁(その1)

イマジン:第1部 はたらく/9 ニート、再挑戦に壁(その1)
毎日新聞 2013年01月10日 東京朝刊
 

「今、若い受給者が増えているのが気になる。顔を見ても覇気がない。再びやる気を起こさせるよう、誰かが声をかけなければ」。2年間、生活保護を受け、県の就労支援で埼玉県三芳町の流通業者「環境流通システム」に正社員として採用された男性(47)の言葉だ。「自分は職種にかかわらず、とにかく働きたかった。でも、今の若い世代は最初からやる気をなくしている」

 失業者も含む15〜64歳の男女を生産年齢人口と呼ぶ。この数が日本では90年代後半の約8700万人をピークに減り続け、国連推計では13年以後30年までに年平均60万人ずつ少なくなる。

 働き手が減りゆく中、家に引きこもる人が加速度的に増えている。玄田有史(げんだゆうじ)・東大社会科学研究所教授はこの人たちを「孤立無業」と呼ぶ。若年者を対象にしていたニートを59歳にまで広げ、普段ずっと独りか、家族と居る人に限ったもの。11年には10年前の倍の162万3000人に達したという。「彼らを働かせるには、まず人と触れ合う機会を設ける必要がある」

 働けない人に就労訓練の場を提供する東京都足立区の靴製造業「ナガセ」を訪ねた。牛革や塗料の香りが漂う町工場2階の大きなテーブルで、若者2人ができたての靴を箱詰めしていた。60人の職場で訓練を受けるのは常時1〜3人。区が派遣する指導員とともにフルタイムで働く。堀川和哉社長(60)は「みんなおとなしくて真面目。一生懸命やればプロの7割方の力になる。最初の勤め先でがんがん怒られて、働くのが嫌になった人が多い。能力がないわけじゃない」と話す。「相手の目を見て会話できなかったり、外に出なかったりする人が多いため、区が支援しても職に就くまで6カ月から2年はかかる」と担当の小塚(おづか)康一・区就労支援課長は話す。

 働けない人が増え続ければ、生活保護の受給者が増える。12年9月時点の受給者は全国で213万人。国と地方自治体の出費は、年間3兆7000億円に上る。浅羽(あさば)隆史・白鴎大学教授(財政学)の試算では、受給者は最悪の場合、30年に574万人、保護費は年9兆8000億円にふくれあがる。

 埼玉県は11年度、受給者2800人を選び、ハローワークへの同行、履歴書作成、面接での同席など、つきっきりで支援した。3億円を費やしたものの、618人が職に就き、保護費3億7000万円を削減できた。

 問題は引きこもる側だけでなく、企業にもあるのではないか。就労支援や労働問題のプロがみな口にするのは、そんな見方だ。

毎日新聞ロゴ

<1面からつづく>
◇企業、人重視へ変われるか

◇流動化する労働の形 20年後、消える終身雇用

「つまずいている人たちには自己責任と言い切れない面がある。失敗、悩みを重ね成長する人を支える組織のあり方があるはず。彼らを認める寛容な職場がもっと増えるべきだ」(埼玉県の就労支援にたずさわる下村朋史(ともふみ)さん)

 「変わるべきは企業なのに一向に変わらない。企業には、人の育成までは手が回らないという思いがある。引きこもる若者を迎え入れるのは、相当高い意識がないと難しい」(田嶋康利(たしまやすとし)・日本労働者協同組合連合会事務局長)

 「知的水準の高い人、スキルの高い人が仕事を独占し、排除された人の分まで稼いでいる。その部分を分配し、共生していく社会にしなければ希望はない」(NPOほっとプラスの藤田孝典(たかのり)代表)

 やはり、社会がおかしくなっているのだろうか。

 米ニューヨーク在住の文筆業、ショーン・ボスカーさん(43)は11年まで岐阜県郡上市で英語の補助教員をしていた。その時、中高生の成績の良い子たちに「将来、何になりたい」と聞いてまわり、ショックを受けた。

 「みんな『公務員』と答える。『どんな仕事の公務員? 交通? 保健関係?』と聞くと、誰ひとり答えられない。とにかく、公務員になりたいということだった。何をしたいかではなく、安定しているからという話。なんだか悲しくなった」

 日本人にとって働くとは、企業、官公庁などクラブの会員証を手に入れることだった。一度、会員証を手放してしまうと、元の状態には戻れない。

 札幌市で80年代から資格や公務員試験の予備校を営む高橋一穂さんは言う。「大学が公務員試験対策を本格的に始めた90年代半ばから、確実に合格するため、ランクを落として受験する学生が増えた。親に言われて来たおとなしい学生が多い」

 近未来、安定という名の城は崩れ、会員証が一気に減るとみる人が少なくない。「若者はなぜ3年で辞めるのか?」を著した人事コンサルタント、城繁幸(じょうしげゆき)さんは「2030年ごろに終身雇用は終わる」とみている。「一部の公的部門には残るとしても、大多数の労働者は終身雇用でなくなる。現に中小企業を中心に、過半数の企業にこの制度はない。それが普通になっていく」

 中央大の山田昌弘教授は「格差を減らし、職を活性化させるには、労働の仕組みをグローバルスタンダード(世界標準)に変えるしかない。新卒一括採用、年功序列、終身雇用、正規非正規の差別を全部取り払うしかない」と語る。
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